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FXで勝つためには、ファンダメンタルズ分析の理解が欠かせません。相場がなぜ動くのかをつかめずに悩んでいる人は、まずこの分析手法を学ぶことから始めましょう。
テクニカル分析ではチャート上の「結果」しか見えませんが、ファンダメンタルズ分析を活用することで、金利・経済指標・要人発言などのニュースを通じて「相場が動く背景」を理解しやすくなります。データや事実に基づいた視点を持つことで、より一貫した判断が可能になります。
本記事では、初心者でも理解できるファンダメンタルズ分析の基本から、中上級者向けの具体的な活用法までを順に解説します。
FXにおけるファンダメンタルズ分析とは、経済状況や金融政策などから通貨の価値を見極め、相場の方向性を予測する手法です。
ここでは、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いとファンダメンタルズ分析が重要な理由という視点からファンダメンタルズ分析について紹介します。
ファンダメンタルズ分析は、通貨の本質的な価値に焦点をあてて相場の方向性を予測する分析手法です。各国の経済状況や政策金利など、通貨の価値に影響するニュースやデータをもとに、将来的な方向性を予測します。例えば、米国で利上げが行われると、ドルの価値が上がりやすいといった関係性です。
一方、テクニカル分析は、過去のチャートから得られるデータをもとに将来の値動きを予測する分析手法です。ローソク足やライン、移動平均線、RSIなどのインディケータを使い、過去のパターンから未来の値動きを予測します。
両者は対立するものではなく、ファンダメンタルズ分析で方向性を、テクニカル分析でタイミングを判断するといったように活用することで、より精度の高いトレードが可能になります。
ファンダメンタルズ分析は、為替相場の大きな流れやトレンドを理解するうえで欠かせない分析手法です。
例えば、中央銀行の金融政策の変更(金融緩和・金融引き締め)は、数年単位で続くトレンドを形成するほど強力な要因となります。一般的に、米国が利上げを進める局面ではドル高トレンドが続きやすく、逆に利下げを進めると円高が進みやすくなります。
また、テクニカル分析だけでは説明できないような急激な価格変動も、ファンダメンタルズを理解していれば納得できることがあります。例えば、移動平均線のゴールデンクロスで上昇を示唆していても、要人発言があったり地政学的リスクが起きたりすれば、価格は下落してしまいます。
このように価格を動かした背景を理解していれば、なぜ今、価格が動いたのかを読み解くことができます。
ファンダメンタルズ分析を活用することで、通貨ペアの強弱関係や相場が大きく動くタイミングなど、より具体的な未来予測が可能になります。
主に、以下のような項目を判断するのに役立ちます。
二国間の景気や政策金利を比較し、どちらの通貨が強い(買われやすい)かを分析します。また、金融政策や景気動向などから数ヶ月や数年単位で続く大きな流れを予測可能です。さらに、重要な経済指標や政策変更の発表などを通じてトレンドが変わる可能性を早めに察知することもできます。
このように、ファンダメンタルズ分析は短期の値動きよりも、中長期の流れを把握するのに適しており、相場全体を俯瞰して戦略を立てたいトレーダーにとって欠かせない考え方です。
ファンダメンタルズ分析の主な材料は以下の4つです。
それぞれの材料について解説します。
中央銀行による政策金利の変更は、通貨の価値を大きく動かす要因です。
金利が引き上げられると、通貨を保有することで得られる利息が増えるため、その国の通貨が買われやすくなります。逆に、金利が引き下げられると通貨の価値が低下することで相対的に他の国の通貨よりも魅力が薄れるので、売られやすくなります。
ドル円は2021年以降、明確な円安トレンドを形成しており、ファンダメンタルズ面でもその背景がはっきりしています。以下の週足チャートでは、米国の利上げ局面以降に発生した上昇の流れを確認できます。
黄色の線で示した2022年3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降、ドル円は力強い上昇を続けました。FRBが段階的に利上げを実施する一方、日銀は金融緩和を維持したため、金利差が拡大し、ドル買い・円売りが進行しました。
経済指標とは、政府などが発表する国の経済状況を数値化した統計です。景気動向を判断する材料となり、金融政策や為替相場に影響を与えます。
特に以下の3つの経済指標は市場からの注目度が高く、市場予想と結果に乖離が生じた際には価格変動が大きくなることも珍しくありません。
これらの指標は、景気の過熱や減速を顕著に表す数値のため、発表時には相場が大きく動くことがあります。
例えば、米国の雇用統計が市場予想を大きく上回れば景気が強いと判断され、インフレを抑制するために利上げが行われる可能性が高くなり、米ドルが買われやすくなります。
地政学的リスクとは、特定の地域における政治的・軍事的な緊張の高まりが世界経済や金融市場の先行きを不透明にする危険性のことです。戦争やテロなどが起きると、リスクを避けるために、日本円や米ドル、ゴールドのような安全資産とされる対象に資金が流れる傾向があります。
例えば、2022年2月24日に始まったロシアとウクライナの紛争の影響でユーロ安となりました。この下落の結果、ユーロドルは一時0.95ドル台まで下落しパリティ割れとなりました。
このように、地政学的リスクは突発的な要因ではありますが、相場の急変動を引き起こす重要なトリガーとなるため、ニュースチェックが欠かせません。
中央銀行総裁や財務大臣、大統領といった主要人物の発言も、相場を大きく動かす材料の一つです。特に、金融政策や経済政策に関する発言は、今後の方向性を示唆するヒントになります。
例えば、FRB議長が「次回の会合で利上げを検討する」と発言すれば、市場は政策金利の利上げを織り込み、ドルが買われやすくなります。また、予定されていない場面でのサプライズ発言やSNSへの投稿は、短期間で大きな値動きを生むこともあります。
要人発言は単なるニュースではなく、市場心理を動かす材料となり得るものとして注目すべき要素です。
ファンダメンタルズ分析は難しそうな印象を持たれがちです。しかし、実は基本的なステップを押さえれば誰でも実践できる分析手法です。
ここでは初心者が最初に取り組むべきファンダメンタルズ分析の手順を以下の4ステップに沿って分かりやすく解説します。
それぞれのステップごとに見ていきましょう。
ファンダメンタルズ分析の第一歩は、いつ、どんな情報が発表されるのかを把握することです。
多くのFX会社では自社サイトで経済指標カレンダーを提供しており、重要な経済指標の発表日時や市場予想値、過去の結果を簡単に確認できます。
例えば、基本的には毎月第一金曜日に発表される米国雇用統計は、特に注目度が高いので必ずカレンダーで事前予想と発表内容をチェックする必要があります。
まずは、起床後や毎日の取引前に経済カレンダーをチェックして、発表スケジュールを把握する習慣を付けましょう。なお、XSラボでも、経済指標カレンダーを用意しているのでぜひ参考にしてください。
ファンダメンタルズ分析では、実際の結果よりも、市場予想と結果との乖離に注目することが大切です。現在の価格には、すでに市場予想が反映(織り込み)されています。そのため、発表された結果の良し悪しだけでなく、予想と結果にどれだけの差があったかを確認しましょう。
例えば、米国の雇用統計で失業率の市場予想が4.0%だったのに対して、3.8%という良い結果が発表されると米ドルが買われやすく、逆に4.2%という悪い結果が出れば、米ドルが売られやすくなります。
経済指標を見る際は市場予想値と結果の差を確認し、相場の反応を分析しましょう。
ファンダメンタルズ分析では、経済指標だけでなく、突発的に発生するニュースや要人発言を常にチェックすることが大切です。特に、各国の中央銀行総裁や財務大臣といった要人の発言は、将来の金融政策を示唆することがあり、相場を一瞬で動かすほどの力を持っています。
例えば、経済ニュース速報アプリなどを活用すれば、リアルタイムで最新の情報を手に入れられるため、重要なニュースを逃さずチェックすることができます。ただし、全てのニュースを追う必要はなく、自分が取引している通貨ペアに関係する国の情報だけに絞るのが効率的です。
ファンダメンタルズ分析でトレンドの方向性を把握したら、次はテクニカル分析を使って具体的なエントリー・決済のタイミングを見極めます。ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の双方を組み合わせることで、トレードの精度を高められます。
例えば、ファンダメンタルズ分析で「今後しばらくはドル高トレンドが続きそうだ」と判断した上で、RSIや移動平均線を使って短期的な押し目を確認し、買いのサインが出たタイミングで買いエントリーをするといったトレードです。
ファンダメンタルズ分析だけでは短期的な値動きを正確に予測するのは困難であるため、テクニカル分析を併用することで、より根拠のある売買判断が可能になります。
下図は、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を組み合わせたトレードの例です。
米国の利上げサイクル中、過剰なインフレが収まらないために今後も利上げが続くだろうという見通しのもと、ドル高トレンドが継続する可能性があります。ファンダメンタルズ分析によるドル高トレンド継続を根拠に、一度20SMAを下抜ける押し目を付けた後に再度20SMAを超えたタイミングで買いエントリーをすれば、両方の分析を活かしたトレードが可能となります。
ここでは、基本的な手順を踏まえた上で、より分析の精度を高めるための応用的な視点を紹介します。
単一のニュースに反応するだけでなく、複数の情報を組み合わせ、相場の背景にある大きな文脈(コンテキスト)を読み解くことがポイントです。
ここでは以下のやり方を解説します。
それぞれのやり方について順番に見ていきましょう。
各国の中央銀行がどのような金融政策をとるのかを見極めることは、ファンダメンタルズ分析における最も重要な要素の一つです。なぜなら、金融引き締めや金融緩和といった政策スタンスは、その国の通貨価値を根本から動かす要因となるためです。
例えば、米国が利上げを継続する方針を示せば、ドルは金利上昇を背景に買われやすくなり、長期的なドル高トレンドにつながりやすくなります。一方で、他国が積極的に利上げを進める中、日本銀行が緩和姿勢を維持すれば、相対的に円は売られやすくなります。このように、各国の金融政策の方向性を把握することは、為替の大きな流れを読むうえで欠かせません。
景気は常に景気拡大→後退→回復のサイクルを繰り返しています。通貨の強弱は景気のサイクルと密接に連動しており、景気が拡大している国の通貨は買われやすい傾向があります。
例えば、コロナ禍が収束に向かった時のように米国経済が拡大局面に入ればドル買いが進みやすく、逆に米国の景気が減速すればドル売りや円買いなど米ドルに対するリスクを回避する動きが起こりやすくなるでしょう。
景気サイクルを把握することは、中長期トレンドを読む上で不可欠であり、世界的な景気サイクルの波も意識することでグローバルな視点からの分析が可能になります。
FXは常に2つの通貨の強弱を比較して売買するため、片方の国の経済状況だけを見るのではなく、両国の景気動向や金利差を相対的に分析しなければなりません。
例えば、豪ドル円の取引をする場合、オーストラリアと日本の景気や金融政策を比較し、どちらの通貨が買われやすい状況なのかを分析することで、長期的な方向性を予測できます。
また、両国の景気が共に良い場合でも、どちらがより強いかを常に見極めることで、為替レートを予測しやすくなります。
XS.com(エックスエス)では、主要な通貨ペアに加えて、マイナーやエキゾチック通貨も含む全42種類の通貨ペアを取引できます。最大2,000倍のレバレッジに対応しており、少ない資金でも効率的な運用が可能です。
ファンダメンタルズ分析では、経済指標や政策動向といった数値面だけでなく、市場心理(センチメント)の動きも見逃せません。市場全体のムードは「リスクオン(リスク選好)」や「リスクオフ(リスク回避)」といった形で表され、投資家の行動に大きな影響を与えます。
相場は最終的に"人の心理"で動く側面があり、同じデータでも市場がどう受け止めるかによって値動きは変化します。例えば、リーマンショックのような世界的な株安が発生した際には、リスク回避の流れから円や米ドルなど安全資産とされる通貨が買われやすくなりました。
このように、市場のセンチメントを読み取ることは、単なるデータ分析では見えない相場の「温度」を把握するうえで欠かせません。
市場のセンチメントを把握するには、ニュースの内容や株価指数、債券利回りの動きなどを総合的に確認し、市場全体の心理傾向を読み取ることが重要です。
上級者になると、単一の経済指標のデータだけで判断するのではなく、複数の経済データを組み合わせて総合的に判断します。例えば、米国の消費者物価指数(CPI)の上昇と雇用統計の悪化が同時に起きている場合、この状況で中央銀行がインフレ対策と景気支援のどちらを優先するのか、要人発言から真意を読み解きます。
発言の中で物価の安定と雇用の最大化というキーワードに注目し、言葉の強弱やトーン、新たな懸念事項に言及しているかを確認しましょう。データ同士のつながりを意識できるようになると、ファンダメンタルズ分析の精度が格段に上がります。
ファンダメンタルズ分析を行う際は、以下の注意点を踏まえて実践しましょう。
それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。
経済指標の発表後に、必ずしも予測通りの値動きになるとは限りません。なぜなら、市場参加者がすでにその情報を織り込んでいる場合や、別の要因が価格に影響を与えることがあるからです。
例えば、市場予想通りの利上げが発表された場合でも、その後の声明文が「今後の利上げは慎重に行う」といったハト派的な内容であれば、利上げという一見ポジティブなニュースであるにも関わらずその通貨が売られることもあります。
つまり、市場がすでに利上げという事実を価格に織り込んでおり、それよりも今後の利上げペースはどうなるかが重視されているのです。結果だけでなく、市場の関心がどこにあるかまで読み解くことが重要です。
ニュースが発表された直後に為替相場が即座に反応するとは限りません。市場参加者がニュースの内容を消化し、既存ポジションの整理や新たな取引判断を行うまでに、一定の時間差が生じることがあるためです。
また、要人発言が続く場合は、後に控える発言内容を見極めてから総合的に判断する傾向があり、その過程で一時的に値動きが鈍ることもあります。その後、全体像が明らかになった段階で大きく反応が出るケースも少なくありません。
したがって、ニュースが伝わった瞬間に価格が動かないからといって即断せず、しばらく値動きの推移を観察してから相場の方向性を見極めることが大切です。
「自分のポジションが有利になるはずだ」といった希望的観測に基づいてファンダメンタルズ分析を行うのは危険です。その理由は、客観的な事実に基づかないファンダメンタルズ分析は、誤ったトレード判断につながり、大きな損失を招く可能性があるためです。
例えば、ご自身がドル円の買いポジションを持っている場合に、「米国の景気は強いから上がるはず」という希望的観測を持った上でファンダメンタルズ分析を行うと、ドル高になる情報のみを積極的に収集する可能性があります。
その結果、ドル安になるニュースやテクニカル分析のシグナルを見逃したり受け入れたりできずに、損失が拡大するリスクがあります。
トレードで安定したパフォーマンスを残すためには、市場参加者の心理や事実を客観的に見極めるようにしましょう。
ファンダメンタルズ分析は、予定がわかっている経済指標や要人発言、政策発表には有効ですが、テロや自然災害などの予測不可能な突発的なニュースには対応できません。こうした予期せぬ出来事はブラックスワンと呼ばれ、過去のデータや通常の分析からは価格の予測が不可能です。
どんなに完璧な分析をしたとしても、常にリスクは存在します。損切りラインの設定やポジションサイズの調整など、リスク管理を常に徹底して、想定外の事態が起きたときに大損しないようにしましょう。
世界中には膨大な数の経済ニュースや指標が存在しますが、それらを全て追うことは非現実的であり非効率です。自分の取引スタイルや通貨ペアに合わせて本当に重要な情報に絞って分析することが、トレードの精度を上げることにつながります。
例えばドル円を取引する場合は、米国と日本の経済指標や金融政策に焦点を絞るだけでも十分対応できます。焦点を絞ることで、情報の取捨選択がしやすくなり、分析の精度を高めやすくなります。
ファンダメンタルズ分析は、基本的に中長期のトレンドを予測するための手法です。1分足や5分足の細かい値動きを捉えるスキャルピングのような超短期的なトレードでは、分析の優位性を活かせない傾向があります。
なぜなら、スキャルピングで狙う値幅は、中長期のトレンドから見ればごく僅かな動きである場合も多く、ファンダメンタルズ分析に基づいたトレードが機能しにくくなるからです。
短期トレードではテクニカル分析の方が有効な場面も多いため、ファンダメンタルズは相場全体の環境認識のために活用するのがおすすめです。
海外FXでスキャルピングに挑戦!初心者必見の実践ステップと具体的な戦略例を紹介
スキャルピングは、短期間で複数の取引を行い、小さな値動きで利益を積み上げるスタイルです。特に海外FXでは高いレバレッジの活用やゼロカットシステムにより、資金効率とリスク管理の面で強みを発揮します。本記事では、スキャルピングのメリットや注意点、具体的な取引手法、業者選びのポイントを詳しく解説。成功に向けたヒントを提供します。
ファンダメンタルズ分析は難しくプロ向けの分析手法であるという先入観を持っている人も多くみられますが、初心者でも十分取り入れられる分析手法です。
経済指標の結果や要人発言、中央銀行の方針といったニュースを少しずつ意識するだけでも、今の相場を動かしている理由が見えてくるようになり、自信を持ってトレードができるようになるでしょう。
さらに、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を組み合わせることで、「どの方向に動きやすいか(ファンダメンタルズ分析)」と「どのタイミングでエントリーすべきか(テクニカル分析)」を同時に判断できるようになり、予測の精度が向上します。
なお、XS.com(エックスエス)ではウェルカムボーナスが用意されており、口座開設とプロフィール認証を行うだけで取引資金として活用できます。初めての方もリスクを抑えながらお得にトレードを始められるチャンスです。
作成日
:
2025.11.06
最終更新
:
2025.11.19
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