アクティビスト

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アクティビスト

読み方 あくてぃびすと
同義語 モノ言う株主

アクティビストとは、特定の企業の大株主となり、その権利を積極的に行使することで経営方針や利益の還元、企業価値の向上などに影響力を及ぼすことを目指す投資家のことです。アクティビストは本来、活動家という意味であり、株式投資の世界では「モノ言う株主」と表現されることもあります。

日本ではあまりアクティビストが存在しませんでしたが、外国人投資家が増えることによって欧米の商慣習が日本にも見られるようになり、日本企業の大株主となった機関投資家ヘッジファンドなどがアクティビストとなるケースが多く見られるようになりました。

アクティビストが最終的に目指すのは企業価値の向上であり、それに伴って株価が上昇したら利益を確定するというのが基本的な戦略です。アクティビストは通常、個人ではなくファンドの形で運営されているため、そういった性格を持つファンドはアクティビストファンドと呼ばれています。

knowledge アクティビストによる企業改革

海外のアクティビストによる影響力が日本企業で行使された事例として有名なのが、オリンパスです。同社はカメラ事業が主力と思われがちですが、収益の柱は医療機器です。かねてから採算性の低いカメラ事業を切り離すべきと指摘されてきましたが、伝統的事業でありそれが進んでいませんでした。そこでアクティビストファンドとして大株主になったバリューアクトが取締役を派遣し、友好的な経営改革を実施。結果として2020年にようやくカメラ事業の売却が実現し、収益性が向上しました。バリューアクトはその後2021年1月にオリンパス株を一部売却したとの情報が流れ、同社の株価は急落しました。アクティビストによる企業改革と株価の上昇、そして利益の達成を象徴的に観察できた事例です。

アクティビストファンドがある銘柄の株式を大量取得した、もしくは大量取得する予定があるというニュースが流れると、それを材料視した買いが入りやすくなり、株価には上昇圧力が加わります。逆にアクティビストファンドと企業との交渉が不調になっていたり、目的を達成して株式を売却するとの観測が流れたりすると株価の下落圧力になることもあります。いずれにしても、アクティビストは大口の投資家であることに変わりはなく、対象銘柄の株価に一定の影響を及ぼします。

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作成日

2021.06.02

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最終更新

2024.11.20

著者情報

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

山田 大護

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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