欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)とは、EU加盟国のうちユーロを使用している19か国(ユーロ圏)の金融政策を担当する中央銀行で、1998年に設立されました。日本でいう日銀にあたります。
ユーロ圏19か国
オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、リトアニア、ラトビア
ユーロ圏における政策金利などの金融政策は、ECBの政策理事会が決めています。その政策目的は「物価の安定」で、「2%未満であるがその近辺」というインフレ目標を採用しています。2%という数値は日本や米国も採用している標準的な水準です。
金利操作だけでなく、例えば金融ショックの際に各国の国債や社債を買い入れるなど、金融市場の流動性確保や資金繰り支援なども担当します。ECBの政策は、短期的には主に為替相場を左右し、長期的にはユーロ圏の経済成長を大きく左右します。
2020年10月現在の政策金利は0%ですが、域内金融機関がECBに預託する金利をマイナス0.5%に定めており、いわゆるマイナス金利を採用しています。金融機関の貸し出しを促し域内経済の長期停滞に働きかける政策ですが、低金利の長期化は金融機関の貸し出し利ザヤを奪い、経営に悪影響が出るといった副作用もあります。ユーロ圏を構成する19か国にはそれぞれの経済事情があります。しかしECBが決める政策金利は一つしかないので、経済状況が良い国では金利が低すぎてバブル化し、悪い国では金利が高すぎて景気の足を引っ張りかねないという、構造的なリスクをはらんでいます。
作成日
:
2020.11.30
最終更新
:
2024.11.14
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