外貨準備とは、各国政府・中央銀行が保有している、直ちに利用できる外国資産のことをいいます。通貨危機などによって、外貨建て債務の返済が困難になった場合や、急激な為替相場の変動を抑制するための為替介入に利用する「準備資金」です。国は、自国の通貨だけではこうした事態に対応できない可能性があるので、その備えとして外貨を保有することにしています。その資産の保有量を、外貨準備高と呼びます。
日本では、財務省と日本銀行が、外貨準備を保有しています。前者は、外国為替資金特別会計(外為特会)と呼ばれます。2020年時点における外貨準備高は、中国に次ぐ世界第2位で、そのほとんどが米国債です。米国は巨額な財政赤字を抱えており、日本は米国債を購入することで、米国政府の支出を支えていることになります。
1990年代後半には、タイ・ロシア・ブラジル・韓国など複数の新興国で通貨危機が起こりました。それ以降は外貨準備の備えが重視されるようになり、新興国は外貨準備を多く持つことを非常に重視しています。
2020年時点で、中国の外貨準備高は世界一です。日本と同様に、その中身はほとんどが米国債ですが、中国は米国債の保有高を徐々に減らしています。その理由として指摘されるのが、米中貿易戦争です。米国債を中国が保有しているということは、中国が米国にお金を貸しているということで、米国債を売却するとその資金を引き上げることになります。中国が貿易戦争の報復として米国債を大量に売却するという見方も出ていましたが、米国の反発を考慮したのか、報復と思われるようなまとまった売却は行われませんでした。しかし、中国の米国債の持ち高は少しずつ減少していて、安全資産である金(ゴールド)への振り替えが行われているといわれています。
作成日
:
2020.12.28
最終更新
:
2024.11.15
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