マーケットエクスキューション(Market Execution)とは、トレーダーによる注文をそのままカバー先金融機関に発注し、その金融機関で約定が行われる方式のことです。マーケットエクスキューションは、直訳すると「市場実行」を意味します。カバー先金融機関からはインターバンク市場に発注されることもあるため、注文・決済時の価格は市場の需要供給によって決まることを由来としています。
トレーダーの注文をそのままカバー先金融機関に発注する方式は「STP方式」と呼ばれ、マーケットエクスキューションはこの一種です。STP方式には他に「インスタントエクスキューション」があります。インスタントエクスキューションはFX会社が約定を行うのに対し、マーケットエクスキューションはカバー先金融機関で約定が行われるという違いがあります。
マーケットエクスキューションでの取引ではまず、FX会社がカバー先の金融機関にアクセスし、価格情報を取得します。続いて、FX会社はその価格をトレーダーに提示します。この際、レートをそのまま提示することもありますし、スプレッドを上乗せした価格で掲示することもあります。トレーダーが注文を出すと、FX会社はその注文をそのままカバー先金融機関に発注し、そこで注文が約定します。
マーケットエクスキューションでの取引は、基本的に約定拒否やリクオートにより注文が成立しないことがないのがメリットです。そのため、ポジションの保有や利益確定を確実に行いたい方に好まれます。その一方で、注文と約定までには時間差があるため、価格のズレによるスリッページは起こりやすくなります。
FX会社が相手となって一旦注文を約定させるインスタントエクスキューションでは、即座に注文が成立します。そのため、マーケットエクスキューションで見られるようなようなスリッページが存在せず、注文時と成立時の価格がズレることもありません。ただし、FX会社が不利になるレートになる場合には、約定拒否やリクオートが起きる可能性があるため注意が必要です。
作成日
:
2021.08.24
最終更新
:
2024.11.21
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