PER(Price Earnings Ratio)は、株価を1株当たり純利益(EPS)で割って求める指標で、日本語では「株価収益率」といいます。「株価が利益の何倍か」という尺度であり、現在の株価の割高・割安を判断するために利用されます。
例えば、株価が1,000円の企業で1株当たり純利益が50円だった場合、PERは「1,000 ÷ 50」で20倍となります。
PER =
株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)
PERの数値を表面的に見て、割安・割高を判断することはできません。株価は市場で決まるため投資家の「期待」が反映されており、業績が同じでも期待が集まりやすい企業(業種)もあれば、常に期待度の低い企業(業種)もあるからです。そのため、PERが低いから割安だと判断して買った企業の株が、何年経っても投資家の期待度を集めることなく割安のまま日の目を見ないことも珍しくありません。
PERを利用して株式の割高・割安を判断する際は、市場平均PERとの比較や、その会社のPERの推移に照らして判断するのが有効です。「日本株と米国株のどちらが割安か」と考える際でも、PERの数値だけでなく、金利水準や税制、企業会計の慣行なども含めて判断する必要があります。
投資家の期待を集めるという意味では、急成長中の新興企業などは投資家が将来の利益拡大に期待して買い上がるため、PERが高くなる傾向にあります。こうした企業では、PERを気にしていると買うチャンスを逃すこともあるため、決して万能な指標ではありません。
PERは「1株当たり純利益 ÷ 株価」の式で求められるため、利益か株価のいずれかが極端な値を示した場合は異常値を示します。例えば新興企業などで、株価が高騰しPERが100倍以上を示す場合などです。一方、経済危機や経営への大打撃が発生し、利益が極端に減少した際にもPERは高騰します。同じPER高騰という現象でも、前者は割高、後者は割安と正反対の意味となるわけです。さらに純損失となればPERもマイナスとなります。このように、PERはその数値となった背景への留意が必要な指標です。
作成日
:
2021.04.06
最終更新
:
2024.11.22
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