ポンジスキームとは、投資詐欺の手口の一つで、運用益の還元を行うと偽って出資を呼びかけながらも実際には運用を行わず、後から参加した人の出資金を配当金として支払いつつ、最終的には出資金を持ち逃げして破綻させる方法です。
米国で天才詐欺師と呼ばれたチャールズ・ポンジ氏が由来となっています。100年以上も前に使われた詐欺手法ですが、現代でも世界中の詐欺師に利用されています。日本語では「出資金詐欺」とも呼ばれます。
この詐欺手法に騙される人が多い理由は、高配当という甘い誘いで出資者を募ることと、それに対してしばらくの間はきちんと高い配当金を出すことです。その配当金は、運用益ではなく出資金なのですが、その仕組みが見えない出資者にとっては、しっかりした運用に見え、これにより出資額や出資者が増えていくのです。後から参加するほど配当金をもらう期間が少なく、損害は大きくなるのが特徴です。
近年では仮想通貨(暗号資産)で、このポンジスキームを用いた詐欺がニュースを騒がせました。基本的には「高利回り」「毎月配当」「元本保証」などの、本来の資産運用では実現可能性の低い条件が並びます。そのようなメリットばかりを強調した投資案件には注意が必要です。
投資詐欺の一種であるネズミ講は、ピラミッド型の階層組織を形成し、上の階層にいる者が下の階層にいる者から儲けを吸い上げるビジネスのことです。先に加入した者が2人以上の者を勧誘し、さらにその2人以上の者が同じく2人以上を勧誘して加入させる...という具合に加入者を無限に拡大させていくイメージです。ねずみ算的に組織が拡大していくことからネズミ講と呼ばれています。
ネズミ講は階層的なシステムであり、出資者の間に明確な階層構造が存在しないポンジスキームとは異なります。ネズミ講は下位層の人たちが金品を納めている限りいつまでも成り立つのに対し、ポンジスキームは新たな出資者が見つからなければすぐに破綻してしまいます。理屈の上で、破綻が見えているかいないかが両者の大きな違いです。
作成日
:
2021.08.26
最終更新
:
2024.11.21
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