優先株とは、一般的に売買されている普通株よりも投資家の権利が大きく、優先的に取り扱われている株式のことです。株式市場で売買されている株式の大半は普通株であり、優先株がこうした取引で売買されることはあまりありません。
優先株に与えられている優先的な権利としてよくあるのが、利益に応じて優先的に配当金を受け取れることや、その企業が解散・整理をすることになった時に優先的に財産を受け取ることができるといったものです。その一方で、優先株の議決権には一定の制限が設けられており、この点においては普通株と比べて権利が小さくなります。
なぜこのような優先株の仕組みがあるのかというと、投資家と企業それぞれにメリットがあるからです。投資家にとってのメリットは、リターンの増大とリスクの低減です。優先株だけが得られる配当があるのでリターンが大きくなることに加えて、万が一その企業が倒産したとしても処分した財産の中から優先的に受け取ることができるため、投資のリスクを低減できます。
優先株は投資家にとってメリットが大きいものの、それはあくまでも長期的に保有する安定株主にとってのメリットといえます。というのも、優先株は一般的に株式市場で売買されることがほとんどなく、株価の値上がり益を狙うことが難しいからです。そのため優先株はあらかじめ保有してもらう株主を決めてから発行することも多く、仮に一般投資家が購入できる機会があったとしても、あまりメリットは大きくないかもしれません。
もう一方の企業にとっては、優先株を発行することによって資金調達をしやすくなることに加えて、議決権に制限を設けることで経営への介入を防ぐ効果が期待できます。「配当を多く、財産処分の優先権を与える代わりに経営に関与されにくい株」を発行することにより、企業にとってもリスクの低い資金調達が可能になるというわけです。
作成日
:
2021.06.24
最終更新
:
2024.11.21
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