レパトリエーション

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レパトリエーション

読み方 れぱとりえーしょん
同義語 レパトリ、リパトリエーション、リパトリ

レパトリエーションとは、「repatriation」という英語で、本来は「本国へ帰還する」という意味ですが、金融分野では「企業が海外であげた利益や海外で投資した資金を本国へ還流させる動き」のことをいいます。投資家の間では「レパトリ」と略されます。

例えば、米国内で事業を行っている日本の企業が、決算に先立ち米国支社のあげた利益を日本本社へ送金するとします。この場合、米国支社が保有するドルを円に換える必要があり、この動きがレパトリエーションです。

レパトリエーション

日本においてレパトリエーションが顕著になるのは、多くの日本企業が3月決算を迎える2~3月初旬ごろです。3月決算に向けて海外からの資金還流が多く発生し、ドル売り円買い需要が重なるので、この時期は円高になりやすいといわれています。日本企業の立場からすると円を買い戻すことから、その動きを「円転」と呼ぶこともあります。

knowledge 東日本大震災におけるレパトリ予測と市場の動揺

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、レパトリエーションによって為替市場が大きく動いたといわれています。地震の発生後から、日本経済への打撃が懸念され円安が進みました。しかし、地震・津波の被害が非常に深刻なものになることが分かると、保険会社による外国債券や株式の現金化が懸念され、そうした大規模なレパトリエーションが行われるという予想が市場のコンセンサスとなり、ドル円相場は数日の間に7円もの円高が進んだのです。この「保険会社の円売り」の予測は激しい円高を生み出しましたが、実際は生保・損保会社による大規模なレパトリエーションの動きは観察されなかったといいます。

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作成日

2021.04.01

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最終更新

2024.11.22

著者情報

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

山田 大護

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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