サムライ債とは、国際機関や外国政府、民間企業などの海外の発行体が、日本国内で円建て発行する債券のことを指します。「円建て外債」と呼ばれることもあります。発行時に日本円で払い込み、利払い・償還金も日本円で支払われるものが一般的ですが、利払いは円建てであるものの償還は外貨建てで行われる「デュアル債」や、償還は円建てであるものの利払いは外貨で行われる「リバース・デュアル債」もあり、これらもサムライ債に含まれます。
債券を発行する側にとってのサムライ債の利点には、まず日本市場の規模の大きさがあります。世界第3位の経済規模であり投資家の層も世界有数の厚さがあるため、短期間に巨額の資金を調達できる数少ない市場の一つです。加えて、低金利環境が長期にわたって継続しており、ベースの金利の高い他国で発行するより比較的低金利で資金を調達できる点も大きな魅力です。サムライ債に限りませんが、資金調達手段の多様化という点でも意義があります。欠点としては、債券取引があまり活発でなく流動性が低いことが挙げられます。
投資家にとっては、発行体は海外の機関・企業などですが、円建てのため為替リスクがなく、国内の同等格付けの債券よりも利率が高めに設定されている点で有利です。その一方で、日本国債や国内企業の社債に比べて、発行体の財務情報や信用情報を入手しにくいのが難点といえます。
作成日
:
2021.05.19
最終更新
:
2024.11.19
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