売り残とは、信用取引において信用売りを行ったとき、未決済のまま残っている株式の残高(株数)のことです。信用売り残、売り残高と呼ばれる場合もあります。信用売りは証券会社から株式を借りて売却し、それを後で買い戻す取引で、株価が下がるとその差額が投資家の利益になります。売り残が多いということは、株価が下降すると考えている投資家が多いことを意味します。
これとは反対に、信用買いを行ったとき、未決済のまま残っている株式の残高(株数)を買い残と呼びます。信用買いは株価が上がると利益が得られる取引なので、買い残が多いということは株価が上昇すると考えている投資家が多いことを示します。
その一方で、信用取引では売り・買いを問わず、所定の期限までに反対売買を行って決済する必要があるため、売り残はいずれ反対売買で買われる残高(株数)、買い銭はいずれ反対売買で売られる残高(株数)と解釈できます。つまり、売り残の大幅な増加は将来的に買い戻しの圧力が、買い残の大幅な増加は将来的に売りの圧力が強まる可能性があると考えられます。
買い残、売り残から需要と供給を読み取ることで、相場の先行きを予測可能です。例えば、売り残が高水準で推移している状態なら、株価が下落基調にあっても将来的に買い戻しが進む可能性があるため、投資家にとってプラス要因となります。
需給バランスを表す指標の一つに、買い残を売り残で割ることで求められる「信用倍率」があります。信用倍率は、買い残が多ければ1倍を上回り、売り残が多ければ1倍を下回ります。買い残と売り残が同数ならば1倍になります。信用倍率は1倍以上が一般的といわれており、1倍を下回っている銘柄は良い需給関係と判断できます。
作成日
:
2021.05.28
最終更新
:
2024.11.22
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