仕手株とは、自己の利益になるように相場を操ろうとする投機家(仕手)に好まれ、投機の対象に利用されやすい銘柄のことです。
相場用語では、投機家のことを仕手と呼びます。仕手は、巨額の投資資金を使って株価や売買高を意図的に操縦し、目立つ株価の動きを見せることで、第三者である投資家を巻き込んで大相場を生み出します。仕手はその最中に自己のポジションを清算し、巨額の利益を得ることができるというわけです。
仕手株の対象となるのは、特有の性質を持った安い銘柄です。比較的少額でも株価が動きやすく、第三者として参加する後追いの投資家にも手が出しやすい低位株(株価が低い銘柄)・空売り可能・時価総額の小さい小型株などの条件が好まれます。そのため、例えばトヨタ自動車やファーストリテイリングが仕手株として選ばれることはありません。
仕手株は優良大企業の株式ではなく、財務や業績などに弱みを抱えて投資家に見過ごされがちな銘柄が選ばれます。仕手は目立たぬように仕手株を買い集めていき、スタートの段階で派手に株価操縦を行って投資家の注目を集め、一気に株価を動かすというのが典型的な手法です。
仕手の仕掛けが始まると、企業業績とは無関係に株価が急変動します。一定の期間急騰・急落を繰り返した後、仕手筋が売り抜けてやがて企業業績や本来の需給に見合った株価水準に戻っていきます。
かつての仕手株は、地方や中小の証券会社から注文を出すことが多かったといいます。中小証券会社が突然大量の注文を特定銘柄に集中させると、市場関係者には仕手株であることが悟られやすくなります。現在はネット証券を通じた注文が中心になっているため、仕手株は認識されにくくなっており、その規模や銘柄も薄く広くなっていると言われます。特定の仕手筋のような存在がなくても、比較的大口のデイトレーダーがマネーゲーム的に「仕手株風の相場」を演出することもあるので注意が必要です。
作成日
:
2021.05.06
最終更新
:
2024.11.18
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