日銀短観とは、日本銀行(日銀)が金融政策を適切に行うための資料として、全国約1万社の企業に依頼して年4回(4・7・10・12月)公表する景気の現状と先行きの調査のことです。日銀短観は、正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といい、海外でもTANKANと呼ばれています。
日銀短観の調査では、大手企業・中小企業、製造業・非製造業を問わず幅広く対象とし、業績や設備投資・雇用などの実施状況と、今後の見通しを聞くことで、景気動向を調査します。
経済を構成する要素のうち、私たちの普段の生活の総計である「消費」は、変動が少なく比較的安定しています。一方、企業の活動による「投資」は地域・分野・規模の大小などに応じて、情勢の変化が明確に表れ、景気の変動をとらえやすいのです。
例えば、景気が悪くなる場合には、まず企業が業績見通しの悪化に基づき投資を絞り、給与や雇用の変動を通じて消費に影響がおよびます。そのような事態になると、政府は財政支出を行って景気悪化を緩和しようとします。日銀は支出を行う機関ではありませんが、景気の変動を早期・正確に把握し、物価と金融システムの安定に努めています。日銀短観はそのための重要な資料となっています。
日銀短観は、市場参加者の注目度が高い経済指標として知られます。短観の内容が悪ければ金融政策の緩和が予想され、金利低下に備えてのポジション調整がなされる、といったように市場参加者の行動に影響します。
調査項目のうち、最も注目度が高い指数が業況判断D.I.(Diffusion Index)です。調査対象企業に収益等の現状と先行きについて、「良い」「さほど良くない」「悪い」の三つの選択肢から回答を選んでもらいます。回答結果の「良い」から「悪い」を差し引いた数値が業況判断D.I.となり、プラスであれば景気は良い、マイナスであれば景気は悪いということになります。
作成日
:
2020.11.30
最終更新
:
2024.11.15
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