米国債利回りとは、米国の財務省が発行する債券の利回りのことです。満期の異なる各種の債券が発行されていますが、そのうち10年債利回りは長期金利の指標になるため、金融市場に大きな影響をもたらします。このため、「米国債利回り」が特に10年債の利回りの意味で使われる場合もあります。
債券は満期によって名称が異なり、1年以下のものはTB(Treausry Bill)、1年超10年以下のものはTノート(Treausry Note)、10年超のものはTボンド(Treausry Bond)と呼ばれます。物価連動国債(TIPS)という種類もあります。TBは割引債で、4週間物、3か月物、6か月物、1年物があります。利息はゼロですが、額面金額より安く発行し額面額で償還されるもので、その差額が利息に相当します。信用力が高く、金利が低いのが特徴です。米連邦準備制度(Fed)のオペレーションの対象となります。
Tノート、Tボンドは利付債で、年2回利払いがあります。発行量や安全性、流動性からみて世界でも有数の債券です。Tノートとしては2年物、3年物、5年物、7年物、10年物が、Tボンドとしては30年物が、TIPSとしては5年物、10年物、30年物が定期的に発行されています。
通常、短期債は長期債よりも利回りが低く、これを順イールドと呼びますが、金融不安や政策変動などにより、短期金利の上昇と長期金利の低下が重なると、利回りが逆転することもあります。これを逆イールドと呼びます。逆イールドは正常な状態ではなく、一般的に景気後退の兆候と考えられます。
米国では過去の景気後退の前には、逆イールドが発生してきた歴史があります。ただし、2019年秋ごろに逆イールドになった影響は2021年になっても見られず、逆にバイデン大統領の政策により長短金利差は拡大しています。
作成日
:
2021.06.18
最終更新
:
2024.11.25
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