増配とは、企業が株主に支払う配当を増加させることです。投資関連メディアでは増配はポジティブなニュースとして取り上げられることが多く、配当利回り(1株当たり年間配当金額 ÷ 1株当たり株価)、配当性向(配当総額 ÷ 当期純利益)などと併せて報道されます。
企業のオーナーは株主です。経営者にとっては、株主価値の増大が重要な経営目標であり、その手法の一つに配当があります。資本を提供した投資家に対し、企業は配当を支払うことで直接利益を還元します。増配は、株主重視の姿勢と事業の順調さをアピールする施策です。また、増配を発表した企業は、有望企業として市場関係者や投資家の注目を集め、株価が上昇しやすくなります。
利益の分配という性質上、配当額は利益の増減に伴って上下することがあります。ただし、日本企業は同業他社との横並びや、配当履歴から逸脱しないことを重んじ、配当額を上下させない安定配当のスタイルをとることが多くなっています。とはいえ近年は、米国流の積極的な株主還元が好感される風潮から、定期的な増配を目標として、実行する企業が増えています。
他方、米国企業は業績が良ければ増配するというのが一般的で、長期にわたって毎年増配を続ける企業が少なくありません。日本でも著名なコカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&Gなどは、増配を50年以上継続している優良企業として知られています。
日本の企業で、長期間にわたって増配を続けている企業も、たくさんあります。最も広く知られているのは、花王で、30年連続の増配をしています(2021年2月時点)。次いで、SPK、三菱UFJリース、小林製薬、ユー・エス・エスなどが20年を上回った連続配当をしています。なお、こうした連続配当をしている企業は「配当貴族」と呼ばれます。
作成日
:
2021.05.06
最終更新
:
2024.11.18
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