お化粧買いとは、機関投資家やファンドの運用会社などが、保有する資産の価格を上げるために買い注文を入れることをいいます。機関投資家やファンドの決算期末や月末などにおいて、外部の投資家や関係者に対し成績良好に見えるよう「見映えを良くする」ための買い注文という意味での「お化粧」であり、「ドレッシング買い」と呼ばれることもあります。
一般的に、年金基金や投資信託などの大規模な資金を運用するファンドで、監督機関や外部の投資家(顧客)の評価を受けるものは、可能であれば保有する資産の価格を高く保っておきたい動機があります。決算の時期には、年金基金やファンド等からさらに運用を受託している投資顧問会社や投資信託委託会社、ヘッジファンドなどは、高い運用成績を示して受託金額をより増やしていくため、預かり資産の時価評価額を上げておく必要があります。顧客によっては運用成績をシビアに問う機関もあり、激しい競争の中、運用会社の交代も珍しくないため、お化粧買いが行われることがあるといわれています。
お化粧買いの成否は、資金額と相場のムードに左右され、実際にはうまくいかないことも少なくありません。お化粧買いによって本当に株価が上昇するかどうかは相場次第となります。
とはいえ実際には、市場で目立つ取引が行われたとして、それが通常の投資判断に基づく買い注文なのか、株価上昇を意図的に狙った買い注文なのかを関係者以外の人間が見抜くことは基本的には不可能であり、推測の域を出ません。
現実には、明白な要因が特定されない月末・年末・年度末などの株価上昇があった際に、市場関係者やマスコミがレポートや記事を書くための憶測・解釈として使用することが多い用語です。「月末とあって、お化粧買いが入るとの期待が相場のセンチメントを持ち上げ、買いを誘発した」「年度末のドレッシング買いとみられるまとまった買い注文が断続的に入っている」といった形で使われます。
作成日
:
2021.05.14
最終更新
:
2024.11.19
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。