ファイルコイン

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ファイルコイン

読み方 ふぁいるこいん
同義語 FIL

ファイルコイン(FIL)とは、分散型ストレージの機能を持つ仮想通貨(暗号資産)です。機能性や将来性を考えるとビットコインを超える可能性があるとされ、2017年に行われたICO(新規通貨公開)では約2億500万ドルの資金調達に成功し話題を集めました。

ファイルコイン

ファイルコインが持つ分散型ストレージとは、非中央集権的なクラウドストレージのことです。分散型ストレージはブロックチェーンを利用したストレージ(記憶装置)で、データ改ざんや流出、物理的なストレージ破損やアクセス集中による負担などのリスクを抑えてデータを保管できるといった特徴を持ちます。

ファイルコイン

DropboxやGoogleドライブなど、現在普及しているクラウドストレージサービスの多くは、特定の企業や管理者がサーバーやデータを管理し保管する中央集権的な仕組みです。データを特定の場所に集めるため、サーバーへのハッキング、災害や事故による物理的破損などによるデータ損失リスクがあります。さらには管理者の都合によってデータが自由に移動できない可能性や、利用者やデータ量の増加によるデータ保管用のサーバー増加や管理費用増加などの問題もあります。

一方、ファイルコインなどが採用する分散型ストレージは、ネットワーク参加者が自身の持つデバイスの空き容量を提供し、利用者がそこにデータを保存することができる仕組みです。データが1か所に集中しないためハッキングのリスクが低くなるほか、暗号化を行うこともできるため、データを閲覧される可能性も低くなります。

ファイルコインのストレージサービスは、ファイルコインを支払うことでデータを保管することができます。一方、保管先のストレージの提供者は報酬としてファイルコインを受け取ることができます。仮想通貨のマイニングはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)やPoS(プルーフ・オブ・ステーク)などによるトランザクション(取引)の承認作業が基本ですが、ファイルコインのマイニングは分散型ストレージにストレージを提供することで行うことができます。

knowledge 次世代インターネットの問題解決に

ファイルコインがビットコインを超える可能性がある仮想通貨と言われるのは、インターネットの技術革新や利用者増加によってデータ量が増えることで不足するストレージを解決できるためです。現在私たちが使用しているインターネットはWeb2.0と呼ばれていますが、将来的には、次世代型のインターネットであるWeb3.0に移行するとされています。現在のままWeb3.0を迎えると、クラウドサービスなどのデータセンターはストレージの増加や管理コストが増えていく一方で膨大な費用が掛かってしまいます。分散型ストレージを活用することで、約50%ほど空きがあるとされる世界中のデバイス内の空きストレージを有効活用し、Web3.0が抱えるデータ容量の問題を解決することができると期待されています。

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作成日

2021.07.15

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最終更新

2024.11.21

著者情報

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

山田 大護

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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