先物主導とは、先物相場が現物相場に対して先行し、現物の価格に影響を与えている状態のことです。経済ニュースなどで「先物主導による相場展開で~」などと表現されることがあります。
現物と先物の両方がある金融商品として、例えば株価指数があります。日本の株価指数として有名な日経平均株価には日経225先物という先物商品があり、投資家は日経平均株価が今後上昇すると見れば先物を買い、逆に下降すると見れば先物を売ります。
日経平均株価の場合、先物の取引規模はとても大きく、既に現物を上回る規模に膨らんでいます。外国人投資家の大半は日本株に対して先物を通じて投資をしており、「外国人投資家による売り越し」といった表現は、先物の売りが優勢になっていることを意味します。先物が好まれるのはレバレッジがあることや、売りからのエントリーも可能だからです。この点においては、FXと似通っている部分があります。
外国人投資家による先物を通じた日本株への投資の影響で、先物主導で現物が動くこともしばしばあります。この傾向を踏まえると、日経平均株価の構成銘柄への投資をする場合は日経225先物の動向をチェックして、裁定取引の流れに乗るように売買をすると短期的な利益を狙いやすくなります。
先物主導が起きるのは、裁定取引という大口投資家による売買があるからです。先物が現物に先行して高くなり過ぎていると、そのギャップを利用して大口投資家は「先物売り、現物買い」の取引をします。日経平均株価の場合であれば「日経225先物の売り、日経平均株価の構成銘柄買い」です。こうすることによって裁定取引をした投資家は利益を上げ、結果として相場では先物が現物価格を引き上げ、両者の乖離が少なくなります。
作成日
:
2021.06.18
最終更新
:
2024.11.20
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