オラクル(Oracle)とは、ブロックチェーンに外部からのデータを送ったりデータの正誤を判断したりするシステムのことで、スマートコントラクトで活用されています。ブロックチェーンには自ら外部からの情報を取り入れる機能がないため、オラクルから送られたデータを基に、スマートコントラクトにおいて誰とどのような契約を実行するのかを決定します。
例えば、ブロックチェーンでスマートコントラクトを使った保険があった場合、加入者に万が一の事態が起こった際には保険金が支払われます。スマートコントラクトを利用しているため、事前に定められた状態(事故や健康状態悪化によるケガや病気)と一致すれば、保険金が自動的に支払われます。この際、加入者が事前に定められた状態と一致するのかを、オラクルから送られてきたデータを基にして判断を行うのです。イーサリアム(ETH)など、さまざまな仮想通貨(暗号資産)のブロックチェーンで利用されています。
オラクルは集中型オラクルと分散型オラクルの二種類に分けることができます。
集中型オラクルは、管理者(団体なども含む)が主体となってデータを提供するオラクルです。管理者が世間から必要なデータを効率的に集め、オラクルによってブロックチェーンへデータの送信を行います。データの信頼性は管理者へ依存するため高い信頼性が求められ、ハッキングや間違ったデータの送信を防ぐために多くのコストが必要となります。
分散型オラクルは、参加者全員でデータの提供や管理を行うオラクルです。集中型が管理者の信頼性に依存してしまうことから、分散型が考えられました。しかし、分散型オラクルはデータ提供などの対価の設計が難しく参加者がデータを提供してくれるのかが分からず、提供されたデータの真偽検証やブロックチェーンへ送信しても良いのかの合意形成に時間が掛かってしまうため、実現できている分散型オラクルの数は少ないのが現状です。
オラクルには問題点もあります。オラクルから送られたデータでスマートコントラクトの契約を実行させることができるため、万が一、管理者が不正確なデータを送ってしまったり、ハッキングによって改ざんされたデータが送られたりすると、意図的にスマートコントラクトの契約を操作することができます。そのため、管理者もしくはハッキングを行った者が、不正確なデータでスマートコントラクトを行い利益を得てしまうことが可能となってしまうのです。
分散型オラクルとして実現できたものにチェーンリンク(LINK)があります。チェーンリンクは外部データを連結された複数のオラクルで検証することによって、信頼性を向上させたデータの送信を行っています。分散型オラクルで問題となるデータ提供などの対価については、オラクルの運営をしているオペレーターに対して仮想通貨のLINKを報酬として支払う仕組みを採用しています。
作成日
:
2021.07.15
最終更新
:
2024.11.21
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