シャープレシオとは、投資のリスクに対するリターンの大きさがどれだけあるのかを示す指標のことです。主に同種の投資信託の運用効率を比較する際や、エキスパートアドバイザ(EA)などの自動売買ツールの成績評価に使われます。「シャープ」という名称は、シャープレシオの考案者であるウィリアム・シャープ氏に由来しています。
シャープレシオは、以下の計算式で求められます。
シャープレシオ =
(平均リターン - 無リスク資産利子率)÷ リスク(標準偏差)
計算式は複雑ですが、リターンをリスクで割るのが大まかな考え方で、数値が大きいほど運用効率が高いことを示します。無リスク資産利子率に関しては、日本では無担保コールレート(短期金融市場における金利)が用いられることが多いです。また、ここでいうリスクはばらつき(価格変動の大きさ)のことで、標準偏差を用いて算出します。
例えば、平均リターンが5%の投資信託Aと10%の投資信託Bがあったときに、リスクがそれぞれ3%と10%、無リスク資産の利子率が0.2%だったとします。シャープ・レシオは投資信託Aが「(5-0.2)÷ 3 = 1.6」、投資信託Bが「(10-0.2)÷ 10 = 0.98」となり、Aの方が効率的に運用できているとみなすことができます。
投資信託では一般的にシャープレシオが「1」を超えていると優秀であるとされていますが、運用成績がマイナスの場合はリスクが大きいほどシャープレシオも大きくなるので注意が必要です。
シャープレシオは「リターン」と「リスク」の二つの側面から運用成績を測定できるので優れた指標といえますが、あくまでも過去の一定期間の結果に基づいて算出されたものに過ぎず、将来の数値を保証するものではありません。シャープレシオのみで投資判断を行うのではなく、他の材料と合わせて総合的に勘案するのが基本です。
作成日
:
2021.07.07
最終更新
:
2024.11.21
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