天候デリバティブとは、金融派生商品(デリバティブ)の一種で、気象変動によって企業が被る損失のリスクに対応することを目的とした商品のことです。リスクヘッジを目的とした商品ではありますが、保険とは異なるため「デリバティブ」と呼ばれています。
天候に左右される収益や支出に対して、あらかじめ気温や降水量、風量などの指数(インデックス)を設定します。そして実際の数値がこの設定したインデックスに反し、そのことが期待収益の減少(支出の増大)につながった場合は、その分が支払われます。
天候デリバティブが保険と異なるのは、あくまでも設定したインデックスとの対比で金銭が支払われるため、リスクが顕在化しなかった場合であっても支払いが発生する可能性がある点です。
例えば、夏の暑い時期にビールの販売増を見込んでいたものの、予想していたよりも気温が上がらずにビールの売れ行きが思うように伸びなかった場合、天候デリバティブの利用が有効です。気温がそれほど上がらなかったものの赤字にまではならなかったとしても、それがインデックスを下回っていれば支払いの対象となります。
天候デリバティブはリスクヘッジ商品でありながら保険ではないので、あくまでもインデックスとの対比で支払いの有無が決まります。損害保険であれば損害の発生を証明する必要がありますが、それが不要であるのも大きな特徴です。既に欧米では気象条件による損失リスクは保険よりも天候デリバティブでカバーする考え方が浸透しており、今後日本でも同様の流れになる可能性もあります。
作成日
:
2021.06.21
最終更新
:
2024.11.20
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