イーサリアムクラシック(ETC)とは、2016年にイーサリアム(ETH)のハードフォークが行われたことで誕生した仮想通貨(暗号資産)です。イーサリアムと同じ仮想通貨であったため機能面での大きな違いはなく、同様に分散型アプリケーションを構築するプラットフォームを提供しています。しかし、イーサリアムと差別化を図る方向性でアップデートや開発が行われており、特にIoT(モノのインターネット)分野のプラットフォームを目指しています。
イーサリアムクラシックは、The DAO事件によるイーサリアムの流出への対応策について意見が割れたことをきっかけに誕生しました。
イーサリアムクラシックとイーサリアムでは、さまざまな点で違いがあります。イーサリアムクラシックの発行上限枚数は約2億1,000万ETCで500万ブロック(約2年4ヶ月周期)ごとに半減期が設定されており、マイニング報酬が20%ずつ減少していきます。一方イーサリムには発行上限枚数の設定が無く、半減期の設定もありません。現時点でイーサリアムクラシックとイーサリアムは、どちらもコンセンサスアルゴリズムとしてPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用していますが、イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行を予定しています。運営方式にも違いがあり、イーサリアムクラシックは組織による運営ではなく非中央集権によるコミュニティの参加者によって行われています。
イーサリアムクラシックは、サイドチェーン(側鎖)の導入実装を目指している仮想通貨でもあります。サイドチェーンを導入することで、別のブロックチェーンと連結させることができ、簡単かつ自由に資産の移動が行えるようになります。サイドチェーンの実装により、メインのブロックチェーンの処理速度向上と負担削減ができ、取引速度の向上やスマートコントラクトの処理速度向上、新機能の実装を期待することができます。
分岐のきっかけとなったThe DAO事件は、分散型投資組織が調達した多額のイーサリアムを、システムの脆弱性によるバグを利用され奪われた事件です。The DAO事件はイーサリアムの脆弱性を突いた流出ではありませんでしたが、流出してしまったイーサリアムをどのように扱うのかが焦点となりました。その対応としてハードフォークにより流出を無かったものにする案が採用されましたが、不正流出とはいえ取引記録の書き換えとなるため、ブロックチェーンとしての信頼性を失うことへの反対意見が出ました。結果的にハードフォークによって新たに分岐したブロックチェーンがイーサリアムとなり、元のブロックチェーンは反対意見の支持者によってイーサリアムクラシックとなりました。
作成日
:
2021.07.02
最終更新
:
2024.11.21
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