値幅制限とは、株価の急激な変動によるリスクを軽減するために証券取引所が設けている1日の株価変動の制限のことです。前日の終値や最終気配値段などの基準値段から比べて一定の範囲が値幅の制限範囲とされ、当日の株価変動がこの値幅を超えることはありません。
値幅制限は基準値段によって定められており、値幅制限いっぱいまで株価が進むと、それ以上の株価変動はしなくなります。上限いっぱいまでいくことは「ストップ高」、下限いっぱいまでいくことは「ストップ安」と呼ばれます。例えば基準値段が650円の株式の場合、値幅制限は上下100円なので、550円になったらストップ安、750円になったらストップ高です。
ストップ高もしくはストップ安になると、リアルタイムの株価が提示されなくなるため、売買が成立しなくなります。この場合は「ストップ配分」と呼ばれる方法で優先順位に応じて注文が順次成立する仕組みになっています。同じ優先順位の条件である場合は、注文の順序が適用されるため、ストップ高やストップ安など値幅制限いっぱいにまで株価が変動する見込みの銘柄を取引したい場合は、早期に注文を出しておくのがセオリーです。
日本では株価の急激な変動のリスクを抑えるために値幅制限が導入されていますが、これは世界中に等しく存在するものではありません。米国のニューヨーク証券取引所やナスダック市場、欧州の各市場には値幅制限がなく、暴落や暴騰が起きると果てしなく株価が動きます。それに対して日本や中国、東南アジア諸国の株式市場には値幅制限があるため、東洋と西洋で考え方の違いを見ることができます。なお、かつて英国に統治されていた香港はアジアの市場でありながら値幅制限がありません。
値幅制限いっぱいまでの株価変動が当日だけでなく翌日以降も続くことがあります。その場合は証券取引所のルールで、2営業日連続でストップ高、もしくはストップ安となり、ストップ配分も行われず売買が成立しなかった場合は、株式市場の流動性を確保する観点から値幅制限を拡大する措置がとられます。
作成日
:
2021.07.30
最終更新
:
2024.11.25
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