特別気配とは、株式市場において取引が成立する値幅(更新値幅)に反対注文がない場合に、更新値幅の範囲内で表示される気配値のことです。次の売買が更新値幅を超えた水準でしか成立しない状態になると、即時に売買は成立せず、特別気配を表示して注文の呼び込みが図られます。板情報には「特」と表記され、これが表示されているときの価格は特別気配です。
成行注文を出した場合、通常は、その時点で一番有利な価格で取引が成立します。このため、買い成行注文を出した場合は一番安い売り注文と、売り成行注文を出した場合は一番高い注文が相手となります。しかし、一番安い売り注文、または一番高い買い注文が、直近の約定値段から更新値幅の範囲にない場合は、売買が停止され、特別気配が表示されます。
直近の約定値段が600円、制限値幅が10円で、買い注文が550円にしか入っていない場合で説明します。この状態で売り成行注文が出ると、注文は即時に成立せず、制限値幅内の590円に特別気配が表示されることになります。特別気配を表示しても反対注文が集まらない場合は、3分ごとに、特別気配を580円、570円と変更し、売買が成立する値段に近づけていきます。
1日の値幅制限の範囲内であれば株価は変動することができますが、それだけではなく細かい時間軸で値幅の制限があります。それを超えると特別気配が表示されて売買ができなくなるわけですが、この特別気配が買いと売りのどちらにつくかによって相場の趨勢を知ることができます。買いに特別気配がついているのであれば、買いが殺到して売り注文が足りていない状態を示し、逆に売りの特別気配であれば売りが優勢です。反対注文が出て特別気配の状態から脱した際にはその勢いが株価にも反映されるので、投資家は特別気配からさらなる株価の上昇、もしくは下降を狙うことができます。
作成日
:
2021.07.16
最終更新
:
2024.11.20
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