バフェット指標は、株式市場の割安・割高を判断する指標の一つで、世界的に著名な投資家であるウォーレン・バフェットが重視している指標です。次の式で算出し、数値が100を超えると株式市場は割高水準にあり、何かのきっかけで株価が急落する可能性があるとされています。
バフェット指標 =
一国の株式市場の時価総額 ÷ 名目GDP × 100
通常は米国株式市場の動向を見る際に使われることが多い指標ですが、他の先進国でも有効であるという意見もあります。世界のGDP総額と世界の株式時価総額を比べることで、世界の株式市場の過熱感を見る場合にも使われることがあります。
これまでバフェット指標は、米国のITバブル(1998年~2000年)や米国不動産バブル(2006年~2007年)で株式市場の過熱を示していた他、日本の平成不動産バブル(1998年~1989年)でも日本株式市場の過熱を示していました。そして新型コロナウイルス蔓延後の世界的な株式市場の上昇相場でも、バフェット指標の上昇が見られています。
バフェット指標の欠点は、株式市場が割高水準にあることは把握できても、いつ暴落するかは分からないことです。実際のところ、ストック(ある時点の資産の合計)の指標である株式時価総額が、フロー(一定期間内の財貨の量)の指標であるGDPを超えると割高であるという判断基準には、明確な根拠や理屈はありません。考え方としては売上高と株価を比較する株価売上高倍率(PSR)に似ています。PSRをその企業の成長段階や業種に応じて経験的に活用していくように、バフェット指標もこれまでの経験上、100を超えると株価収益率(PER)や配当利回りといった他の指標でも割高が意識され始める水準となることが多くなっていたということです。
作成日
:
2021.06.10
最終更新
:
2024.11.18
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