ボリンジャーバンドとは、移動平均線の上下にボラティリティに応じた幅のバンドを引くことにより、価格の変動範囲を予測するのに役立てることができるトレンド系指標です。ボラティリティが低ければバンド幅は狭く、高ければ広くなります。開発者であるジョン・ボリンジャー氏の名前にちなみ、ボリンジャーバンドと名付けられました。
ボリンジャーバンドは、データのばらつき具合を表す、「標準偏差」という統計学の概念に基づいています。標準偏差はσ(シグマ)の記号で表され、ボリンジャーバンドでは、移動平均線に±1σ、±2σといった標準偏差の数値を足したラインを描画します。
日足で説明すると、±1σの場合、ボリンジャーバンドの上限・下限は下記の式で計算されます。2σ、3σと数値が増えていくと、標準偏差の部分が2倍、3倍となるため、それに従ってバンド幅も拡大します。
ボリンジャーバンドの上限 =
n日の移動平均線 + n日の標準偏差(1σ)
ボリンジャーバンドの下限 =
n日の移動平均線 - n日の標準偏差(1σ)
標準偏差はデータのばらつき具合を表すため、ボリンジャーバンドの計算対象となった期間の価格データが全て同じ数値であれば、標準偏差の数値はゼロとなります。その逆に、大きく価格が上昇して、その後大きく下降した場合などは、データのばらつきが増え、標準偏差が大きくなります。このため、ボラティリティが大きい場合はボリンジャーバンドが広がります。
標準偏差では、データが平均を中心に規則正しく釣鐘型に分布する正規分布の場合に、+1σ~-1σの間には68.27%、+2σ~-2σの間には95.45%、+3σ~-3σの間には99.73%のデータが含まれるという性質があります。実際には、FXの値動きはバラバラで、このような規則正しい分布にはなりませんが、正規分布の場合と同じように類推して、±1σ、±2σ、±3σといったように標準偏差の幅が広くなるにつれて、その価格に達する確率は低くなるという予測を立てられます。
±2σや±3σに達する確率は低いという考え方に基づき、これらのラインに達したときに逆張りをする手法も有名です。
ボリンジャーバンドでは、バンドの見た目から、トレンドの状況の把握や、その発生を察知することも可能です。バンドが収縮(スクイーズ)している状態は値動きが乏しく、トレンドがない、あるいはレンジ相場が形成されていることが分かります。一方、バンドが拡散(エクスパンション)すると、値動きが大きくなってトレンドが発生することを示唆します。
作成日
:
2021.01.29
最終更新
:
2024.11.20
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